ことばをつむぐ

日本近代は人のうちの力で生まれたものではなく根なし草であった。近代日本語もまた言葉のしくみに根をもたない造語に覆われた根なし草言葉である。
その近代はあの十五年戦争に至り南太平洋から東南アジア、東北アジア、中国大陸と朝鮮半島と日本列島弧に住むものの祖先の地のすべてに兵を進め、残虐と暴虐のかぎりをつくした。そして敗北した。
あれだけ「鬼畜米英を撃て」と国民を動員しておきながら戦後は一転、対米隷属の政治となる。対米従属のもと、アメリカの核戦略の一環として地震列島に原発をいくつも作りついに福島原発の核惨事に至る。
これは非西洋にあって最初に近代化をとげた日本の近代の帰結であった。この歴史と向きあえ。そしてこの歴史を越えよう。
しかし根なし草言葉で根なし草近代を越えることはできない。日本語に深く立ちかえり近代日本を越える場をつくることが青空学園日本語科のめざすところである。