対話をはじめる

 2016年秋の雑誌「日本主義」への寄稿から、2018年の『神道新論』の出版にいたる道は、2019年3月の同じ雑誌の終刊号への寄稿「分水嶺にある近代日本」で一区切りをつけた。これはまた、1999年夏以来の青空学園での思索と基礎作業のうえに、ようやくできたことでもあった。 

 そのうえに、『神道新論』の内容を普遍性と固有性の相互に行き交う場において深め、これをのべることが新たな課題となった。 

 これまで青空学園数学科では、2000年の頃から「数学対話」として数学現象からはじめてそれを解きほぐし一般化をめざす対話を積み重ねてきた。日本語科においても、自己の内部の統一をめざし、2005年12月~2011年1月にかけて「対話集」にあるように長い対話を重ねてきた。

 これらの経験をもとに、日本語科において再びうちなる対話をはじめることとした。これは、これまでの営みを継承するものである。形はまだ整えないが、これをここ「対話の試み」において、順次書き加えてゆく。